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公益財団法人としま未来文化財団国際アートカルチャー都市としま

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財団トップページ» 榮洪おもしろシリーズ»おもしろ豊島区史 | 連載第5回 新田堀の内村「まぼろしの滝」 

おもしろ豊島区史

文・伊藤 榮洪

連載第5回 新田堀の内村「まぼろしの滝」  【2012年8月5日発行号】

 現在の上池袋町はもと「堀之内町」で江戸のころは「新田堀之内村」とよばれたところである。都電王子の先「梶原」の停留所の辺りを領していた「梶原堀之内村」の元禄の開発新田として生まれ、初めは「堀之内新田村」といわれていたのが、いつのまにか「新田堀之内村」と変わったというところである。明治になってからの調査に、「コノ村、畑ノミニテ水田ナシ。土地形成、高燥平坦」と出ている。「高台で乾いていて、畑ばかりの平地」というこの村に、「滝がある」といったら誰でも驚くに違いない。滝は高低差のところを流れ下るのだから、「平坦」な新田堀之内村に「滝」があったとはとても思えない。

 ところが、『遊歴雑記』という本には「村に滝がある」と書いてあるのだ。『遊歴雑記』は十方庵敬順という小石川の隠居したお坊さんが、文化年間(1804〜18)の江戸を歩いて見聞を書きとめたもので、当時の様子を知る貴重な文献である。それには、「武州豊島郡上新田堀之内村は池袋村の東北3町のところにあり、この村に清流の滝がある」ときちんと記されていて、村人たちは、「飛泉の滝」といっていると滝の名称も述べているのである。

 そしてこの滝の様子をこんなふうに描写している。「その滝は高い所から落ちるのではなく、北から西南に向かって4段になって落ちる。その様子は絵を見るようですばらしい。この滝の左右の地は狭まっていて高さは1丈以上あるが、岩がないので細い谷を流れるように見える。あたりは雑木が自然のままに生えているだけだが、手入れされた庭園に劣るものではない」。

 滝の高さは「3メートル以上はある」らしいが、「流れは細い」のでこれではとても堂々とした「飛泉の滝」とはいえないが、「滝」であることには変わりはない。だから「聞こえるのは野鳥の声と滝の音ばかりでしんと静まっているのがいい」と、このおだやかな風趣が敬順の疲れを癒したようだ。それなのに、滝に遊んでいるのが5、6人の子どもばかりだったので、「この天然の滝が人に知られてないというのは残念だ」と感想をもらしている。現在の上池袋町に代々住んでいる古老の方々も、それだけの高低差のある場所を知らない、聞いたこともないと首をかしげるだけだから、まさに新田堀之内村の「まぼろしの滝」といえる滝が江戸のころにここにあったのである。

榮洪おもしろシリーズ

  • 女性の道を拓いてきたのは
    • 第11回 白蓮、いのちかけて選んだ自らの道に生きる
    • 第10回 熱狂的に迎えられた竹久夢二の美人画には
    • 第9回 新しい芸術が女性のこころをとらえた
    • 第8回 平塚らいてう 「山を動かした」か
    • 第7回 福田英子、一途な情熱だったが・・・
    • 第6回 「女医第1号」荻野吟子の苦闘
    • 第5回 有島武郎『或る女』の場合
    • 第4回 相馬黒光という生き方
    • 第3回 自由恋愛を唱え、女性の天分を生かした明治女学校
    • 第2回 葬られた「蓄妾禁止」法案
    • 第1回 『日本の花嫁』事件
  • おもしろ江戸の噂・村のうわさ
    • 第12回「今も昔も悪い奴はいるもんで・・・」
    • 第11回「女房に神通力があったか?」
    • 第10回「三浦新之丞って何者・・・?」
    • 第9回 「かみなり様が馬に乗って来たぞ!!」
    • 第8回 「あの事件の謎は解けたのか・・・?」
    • 第7回 「菊は巣鴨」と、村が始って以来の繁栄
    • 第6回 高田村、大人気だった「力比べ」
    • 第5回 「長崎村、弁天池の鯉が消えたと?・・・!」
    • 第4回 「えッ、目白で猪を獲ったって…」 
    • 第3回 「藪そば」を生んだ「雑司ヶ谷」文化
    • 第2回 「悲恋の女の声が聞こえる…?」
    • 第1回 「和尚の一言が悪心を悔悟させた…」
  • おもしろ文人列伝
    • 第12回 描かれた江戸時代のヒ―ロ―たち
    • 第11回 「二重」の生を願望していた江戸川乱歩
    • 第10回 10歩の間に論争相手が眠る。芥川龍之介と谷崎潤一郎
    • 第9回 心中未遂から「新しい女」に脱皮した平塚らいてう
    • 第8回 夜の闇に智恵子の名を呼びかけていた高村光太郎
    • 第7回 20世紀はじめの『田舎』だった巣鴨に驚いたが 野上弥生子
    • 第6回 45回?も勘当された『愛』の詩人 サトウハチロ―
    • 第5回 ン? 顔を洗ったことが無いって? 菊池寛
    • 第4回 漱石をめぐって〜大食漢の正岡子規など〜
    • 第3回 子煩悩だったが妻には… ―― 鈴木三重吉
    • 第2回 謹厳な大学教授、恋に溺れる
    • 第1回「ダンナより猫が大事」――雪中庵服部嵐雪 
  • おもしろ豊島区史
    • 第12回 長崎神社に残る獅子舞
    • 第11回 目白、「一夜で」消えた大寺
    • 第10回 「物語のある町、高田」
    • 第9回 「雑司が谷鬼子母神」異聞
    • 第8回 巣鴨村、「地蔵」と「菊」と「野芝」と
    • 第7回 「池袋の女」伝説
    • 第6回 「貝塚」のある池袋
    • 第5回 新田堀の内村「まぼろしの滝」
    • 第4回 中山道の巣鴨「庚申塚」
    • 第3回 「植木の駒込」を代表、伊藤伊兵衛政武
    • 第2回 駒込の地名−伝承の面白さ
    • 第1回 昭和7年(1932年)、豊島区の誕生
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