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公益財団法人としま未来文化財団国際アートカルチャー都市としま

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財団トップページ» 榮洪おもしろシリーズ»おもしろ豊島区史 | 連載第4回 中山道の巣鴨「庚申塚」

おもしろ豊島区史

文・伊藤 榮洪

連載第4回 中山道の巣鴨「庚申塚」  【2012年7月5日発行号】


猿田彦大神 巣鴨庚申堂(巣鴨4-35-1)

 江戸時代の巣鴨村の村図に、ごく単純に2本の道の交差したものがある。左右の道は中山道、巣鴨村は江戸五街道のひとつであるこの中山道で江戸市中と郊外、諸国に通じて栄えた。中山道と交差する道は王子道、現在の折り戸通りである。王子道は「花の道」で春は飛鳥山のさくら見物、秋は北区の「岩屋弁才天」紅葉寺のもみじ狩りの道筋で、現在の都電新庚申塚のところにむかし、「弁財天みち」と記した道しるべが立っていた(その道しるべは今は紅葉寺門前にある)。古老のお話では、昭和の初めごろまで、春、花見に仮装した連中が賑やかに通ったという。中山道と王子道の交差したところに石碑のような絵が描かれている。そこが庚申塚の地である。

 この交差点を「庚申塚」というのは、ここにあった庚申塔が壊れて塚を築いて埋めたからである。『遊歴雑記』によると、「この庚申塔は文亀2年(1502)建立のもので、高さ8尺」という大きなものだった。大きいからその庚申塔の裏に盗賊が隠れて往来の人から金品を奪うということもあったらしい。その庚申塔が壊れたのは、江戸市中4分の3を焼き尽くしたという「明暦の大火」(1657)のあと、ここに置かれた復興用の材木がある日塔の上に倒れてきたためだった。庚申塔は「庚申信仰」から生まれたもので、江戸時代は各地に庚申講が結ばれ、庚申塔も各所にあるが庚申「塚」は外【ほか】には聞かない。

 この庚申塚のところは、材木置き場になるようなちょっとした広場があって、江戸のころは中山道板橋宿までの途中の「立場」だった。立場というのは街道の休憩所ということで、ここに2軒の茶店ができ、藤の花を咲かせたり団子などで旅人をもてなした。「藤棚に寝てみてもお江戸かな」と一茶もここで休んで江戸に入った安らぎを得ていたようだ。旅人はゆっくりお茶を飲んで疲れを癒し、あるいは馬を取り替えたりすることもあった。


庚申堂内の石碑「庚申塚(江戸名所図会より)」

 『江戸名所図会』には旅人で賑わう様子が描かれており、現在は道をゆく人々の安全を祈って「道の神」の猿田彦を祀って賑やかだが、同じ場所を描いた広重の浮世絵では人影も少なく、20世紀になろうとする明治33年にこの庚申塚近くの明治女学校に入学した野上弥生子(小説家・文化勲章受賞)が、「大分県の故郷より、もっと田舎だ」と驚いているくらいのところでもあった。

榮洪おもしろシリーズ

  • 女性の道を拓いてきたのは
    • 第11回 白蓮、いのちかけて選んだ自らの道に生きる
    • 第10回 熱狂的に迎えられた竹久夢二の美人画には
    • 第9回 新しい芸術が女性のこころをとらえた
    • 第8回 平塚らいてう 「山を動かした」か
    • 第7回 福田英子、一途な情熱だったが・・・
    • 第6回 「女医第1号」荻野吟子の苦闘
    • 第5回 有島武郎『或る女』の場合
    • 第4回 相馬黒光という生き方
    • 第3回 自由恋愛を唱え、女性の天分を生かした明治女学校
    • 第2回 葬られた「蓄妾禁止」法案
    • 第1回 『日本の花嫁』事件
  • おもしろ江戸の噂・村のうわさ
    • 第12回「今も昔も悪い奴はいるもんで・・・」
    • 第11回「女房に神通力があったか?」
    • 第10回「三浦新之丞って何者・・・?」
    • 第9回 「かみなり様が馬に乗って来たぞ!!」
    • 第8回 「あの事件の謎は解けたのか・・・?」
    • 第7回 「菊は巣鴨」と、村が始って以来の繁栄
    • 第6回 高田村、大人気だった「力比べ」
    • 第5回 「長崎村、弁天池の鯉が消えたと?・・・!」
    • 第4回 「えッ、目白で猪を獲ったって…」 
    • 第3回 「藪そば」を生んだ「雑司ヶ谷」文化
    • 第2回 「悲恋の女の声が聞こえる…?」
    • 第1回 「和尚の一言が悪心を悔悟させた…」
  • おもしろ文人列伝
    • 第12回 描かれた江戸時代のヒ―ロ―たち
    • 第11回 「二重」の生を願望していた江戸川乱歩
    • 第10回 10歩の間に論争相手が眠る。芥川龍之介と谷崎潤一郎
    • 第9回 心中未遂から「新しい女」に脱皮した平塚らいてう
    • 第8回 夜の闇に智恵子の名を呼びかけていた高村光太郎
    • 第7回 20世紀はじめの『田舎』だった巣鴨に驚いたが 野上弥生子
    • 第6回 45回?も勘当された『愛』の詩人 サトウハチロ―
    • 第5回 ン? 顔を洗ったことが無いって? 菊池寛
    • 第4回 漱石をめぐって〜大食漢の正岡子規など〜
    • 第3回 子煩悩だったが妻には… ―― 鈴木三重吉
    • 第2回 謹厳な大学教授、恋に溺れる
    • 第1回「ダンナより猫が大事」――雪中庵服部嵐雪 
  • おもしろ豊島区史
    • 第12回 長崎神社に残る獅子舞
    • 第11回 目白、「一夜で」消えた大寺
    • 第10回 「物語のある町、高田」
    • 第9回 「雑司が谷鬼子母神」異聞
    • 第8回 巣鴨村、「地蔵」と「菊」と「野芝」と
    • 第7回 「池袋の女」伝説
    • 第6回 「貝塚」のある池袋
    • 第5回 新田堀の内村「まぼろしの滝」
    • 第4回 中山道の巣鴨「庚申塚」
    • 第3回 「植木の駒込」を代表、伊藤伊兵衛政武
    • 第2回 駒込の地名−伝承の面白さ
    • 第1回 昭和7年(1932年)、豊島区の誕生
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